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002.「エンデの遺言」をまだ知らない人へ

 ドイツの児童文学者、ミヒャエル・エンデは1995年に亡くなりました。ミヒャエル・エンデの名前は、たくさんの人が知っていると思います。「モモ」や「ジム・ボタンの機関車大旅行」、「はてしない物語」などの作品で有名な作家です。

 亡くなる1年半前、エンデは日本のNHKの取材に応じた、ある録音テープを残していました。それは私たちの社会における、「お金」のあり方について語ったものでした。その内容は1999年にテレビ番組として構成され、「エンデの遺言」というタイトルで放送されました。

(私たちの社会における)「問題の根源はお金にある」と、エンデは言ったそうです。

 この「問題の根源はお金にある」という意味は、「みんな、お金がない」とか、「お金持ちはずるい」とか、そういう意味ではありません。私たちが使っている「お金」というものそのものが、何か、私たちの社会をうまくいかないようにさせる、原因を持っているのではないか?という意味です。だから私たちはこの「お金」というものを、もっと人間が幸せになれるような仕組みに、作りなおした方がいいのではないか?と、エンデはそのようなことを言うのです。

 「エンデの遺言」が放送されたことにより、私たちが普通では知らなかったような、不思議なお金のことが、かなりたくさんの人に知られるようになりました。不思議なお金というのは、お金を持っているとどんどん使える金額が減っていくという「スタンプ貨幣」というお金とか、特定の地域や団体の間でだけ使える「地域通貨」というお金のことです。

 また「金利というのは、おかしくないか?」という疑問や、シルビオ・ゲゼルという経済学者の名前も知られるようになりました。そしてまたさらに驚いたことには、エンデの作品である、時間どろぼうと人間の女の子の戦いの物語「モモ」は、本当は経済のことを意識して書かれたお話だということも、知られるようになりました。

 これだけでも普通は、頭の中がいっぱいになってしまって、おでこに大きなクエスチョン・マークが浮かんでしまいそうな内容です。おまけに私たちが今までまったく疑問を持つこともなく使っていたお金とは、まったく常識はずれなお金が登場してきます。

 「エンデの遺言」はテレビで放送されて、たくさんの人に知られる機会を得ましたが、遺言を受け止めた普通の人たちのほとんどは、「何が何だか、わかったような、わからないような?」という状態になりました。

それで今だに、現実的には「世の中の少しの人しか知らないお話」となっています。

(資料:「エンデの遺言」NHK出版)

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