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いろいろな組織が株式会社です。

 「公的」という考え方を習ったのは、小学校4年生ぐらいの社会科の授業だったと思います。先生の説明はとてもわかりやすいものでした。教室の中を例にして、それぞれの生徒が自分の席のまわりの掃除をするという話をしたのです。

 「みんなが自分の席のまわりのお掃除をするとします。自分のまわりの席は自分が使っているのだから、自分がお掃除をするのは納得できます。それならば教室の後ろの方の広いスペースはどうですか?」。

 「自分の席からは、遠い」と言って、誰も掃除をしなければ、教室の後ろの方はきたなくなってしまいます。そうすると昼休みなど、遊びたくてもきたないし、結局みんなが困ります。

 こういう時は「みんなの場所」として、みんなでお掃除をするようにすれば、解決できます。ここでいう「みんなの」が、「公的」です。

 「誰かのもの」ではなくて、「みんなのもの」。
 
「自分のもの」ではなくて、「みんなのもの」。
 
大人の言葉では「私的」と「公的」です。

 先生の説明はとてもわかりやすかったと思います。この時に私は「市役所」を理解し、図書館の本はみんなのものだという意味を理解し、税金というのは(本当は)「みんなのため」に使われるべきお金だということを理解したからです。

 「自分のもの」であれば、自分の好きなようにしてもいいけれど、「みんなのもの」は「みんなのため」に使わなくてはいけません。たとえばクラスのみんなから集めたお金は、「みんなのもの」なので、自分が買いたいマンガを買うのに使ったりしてはいけません。(…)

 市役所、警察、消防署などは公的機関です。

「公的」の反対は「私的」です。

 ところで小学校では、このあたりまでしか教わりません。

 「会社」については触れません。

 大人になると「公的」、「私的」という観点に、もう少し深い見方が加わります。「それは誰のもの?」ではなくて、「その行動は誰のため?」という見方です。

 税金は「みんなのため」に使われるべきものです。それが「みんなのため」ではなくて、特定の誰かのために使われたとなると、私たちは公平ではないと思い怒ります。

 政治はもちろん「みんなのため」に為されるべきものです。

 それならば企業の活動は、いったい誰のために為されるものでしょう?

 ここで言う企業とは、世の中で一般的な株式会社です。「民間」が出資する株式会社です。つまり公的でない存在によって経営される企業です。私企業とも言います。

 株式会社とは、通常は「株主のもの」であり、「株主の利益」のために経営される会社です。株主というのは、株を持っている人のことですから、決して社会の「みんな」ではありません。社会の一部の人です。株式会社は私的な存在です。

 株式会社の経営は、「社会のみんなのためではなく、社会の一部の人のために行われる」のです。

 株式会社は、実は私たちの社会にとても深く浸透しています。

 たとえば銀行や証券取引所は株式会社です。そしていろいろな新聞社や雑誌社、それから民放と呼ばれるテレビ局も株式会社です。

 これらの組織は、その仕事を見ていると一見「社会のみんなのため」のようですが、「誰のために、経営を行っているのか?」という点から言うと、「株主のため」に経営をしています。

「株主のため」というのは、株主が出資してくれたお金を増やしてあげるために経営をしているということです。

行っている事業はたしかに社会の多くの人に関わりますが、その事業を行う目的は、株主の利益のためです。

 そうなると、もしも株主の利益と、社会のみんなの利益が一致しない時、銀行、証券取引所、新聞社や雑誌社など、これらの企業はどのように行動をしたらいいのでしょう?

 私企業なのに、それでも社会のみんなのために行動する必要はあるのでしょうか?
 また出資してあげた株主は、株式会社のそういう行動を、喜んでくれるものなのでしょうか?

 株式会社の存在に気がつくことは、大切です。

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