« 伊予柑です。 | トップページ | 株式会社と労働者の賃金 »

次の大恐慌の時は「ウシロムキニススメ」

 ミヒャエル・エンデの「モモ」に出てくる「さかさま小路」は、私たちが普段使っているお金への、強すぎる信頼のお話だと思います。

 私たちは普段「お金がなくては、生きていけない」と思っています。

でもよく考えてみて下さい。お金はそれ自体では、食べ物にもメモ用紙にも使えない、ただの紙っ切れです。せいぜい折り紙をしたらおもしろい♪という程度の紙です。

 そんなものがなくなったって、実際に私たちが食べるパンとかお肉とか野菜とか、それから衣類とか、家などが手に入れば、私たちはちゃんと生きていかれると思いませんか?

 お金という紙っ切れは、そういう実際に必要なものを手に入れるために、一時的に必要になるだけのものです。

 もしもそういう紙っ切れをとおさなくても、必要なものやほしいものがちゃんと手に入るのならば、わざわざそんな紙っ切れがなくなったところで、何もこわくなどないですよね?

 でもそれなのにお金がないと、私たちはとても困ってしまいます。どうしてこんな紙っ切れがないだけで、私たちは餓えてしまったり、命を絶ってしまうのでしょう?

 それはお金そのものが重要なのではなくて、お金が果たしている何かの役割が重要だからです。お金の形ではなくて、お金が果たしている役目の方が大切なのです。

 それならば世の中からお金が消えてしまった時は、私たちはほかの方法で、その役目を補えればいいと思いませんか?

 たとえばこういうことを、考えてみて下さい。

 自然災害による飢饉と、世界大恐慌は、何が違うのか?

 自然災害による飢饉では、本当に食べ物がなくなります。だからどんなお金持ちでも、お金で食べ物を買うことはできなくなります。なぜなら本当に、その地域に食べ物が存在しなくなり、買えなくなるからです。

 でも世界大恐慌の時は違いました。

人々はお店に商品があったのに、お金がなくて買うことができませんでした。お金が世の中から姿を消してしまったのです。お金が普段果たしていた役目が、果たされなくなってしまったのです。

でもその時、もしも人々が気づいていたら?

「大切なのは、お金じゃない。お金が果たしていた役目の方が大切だったんだ。それならばお金の代わりに、同じ役目を果たせる何かを考えればいいのだ」と気づいていたら?

 そのことに気がついた人たちは、地域通貨という代理のお金を使って、一時的にでも、危機を乗り越えたそうです。お金という拘束から自由になれたのです。

 人間はお金という紙っ切れがなくても生きられます。

 人間はお金という紙っ切れがなくても、食べ物があり、着るものがあり、住む家があれば、生きられます。問題は、みんなで交換が上手にできるかどうかです。

 世界大恐慌の時は、ほとんどの人がお金を信じ過ぎていたために、本当にひどいことになってしまいました。

 もしも未来にまた、同じようなことが起こりそうになったらその時は。

「ウシロムキニススメ!」です。

 私たちは「さかさま小路」を通りぬけるように、「大切なのはお金じゃない。みんなで作った野菜や食べ物や生産物だ。それからみんなの働く力だ。みんなの働く力さえあれば、みんなで作って交換して、なんとかなる」と呪文のように唱えながら。

「お金なんかなんだ! お金なんか、私たちをしばれない! 私たちは交換さえできれば生きられるんだ! みんなで方法を考えて、作ったものを上手に交換しよう!」。

 人間は今までお金ばっかりを見てきました。でもこれからはそうではなくて、ウシロムキに、ウシロムキに。

お金にしばられていた価値観を手放しながら、本当に人間を生かしてくれる食べ物や着る物や住む家の方を見ながら進んでいくのです。

 どうしたらせっかく生産した食べ物や着る物やお家を無駄にせずにすむだろう?
 どうしたら働ける人たちの力を、社会に生かしていけるだろう?
 
どうしたらみんなで生きられるだろう?

人間は、人間を傷つけるお金から、自由にならなくてはいけないのです。

|

« 伊予柑です。 | トップページ | 株式会社と労働者の賃金 »

コメント

教科書に載せたくなるような文章ですね。

仰る通りだと思います。
人間が生きていくためには衣食住が揃っていれば良いのです。食料と資源さえあれば生きていける。石器時代のように。猫やカラス、スズメなどもお金がないのに立派に生活しています。

家も服も食べ物も揃っているのに「金が無い。」と言っている連中を見ると、腹が立ちますね。どこまで強欲なんだと・・・。

投稿: ponpon | 2010年2月 8日 (月) 12時48分

ponponさん、コメントをどうもありがとうございます。

自分ではとてもシンプルであたり前のことを書いているつもりなのですが、なかなか「そうだ」と言って下さる方が見つからないので、「やはり私は宇宙人で、地球の人と考え方が違うのかな?」と心配しつつ、それでも懲りずに記事を書き進めておりました。(笑)

ご賛同のコメントをいただけましたこと、とてもうれしいです。


>教科書に載せたくなるような文章ですね。

とくにこの1行が本当にうれしい!!!です。


いろいろな人たちがお金について、本当は何なのか考えたこともなく、また十分な知識を持っていない現実を、少しでも変えていくことができればと、夢見ております。

また思いつくことがございましたら、ぜひコメントをお待ち申し上げております。
ありがとうございました♪

投稿: みほれみ | 2010年2月 8日 (月) 21時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52049/47478217

この記事へのトラックバック一覧です: 次の大恐慌の時は「ウシロムキニススメ」:

« 伊予柑です。 | トップページ | 株式会社と労働者の賃金 »