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結論です。(その11) 現行のお金の問題点(株式会社2)

(前の記事の続き)

 

経営者が会社のお金で経営を始めると、お金は次のように動き始めます。経営者は、何かを作るために材料などを買い、従業員にお給料を払い、そして出来上がった製品を売って、お金を受け取ります。

 

 もしも一定の期間の間に、受け取ったお金の方が、使ったお金より多ければ、この時、受け取ったお金と使ったお金の差額が、利益です

 

3

 

 この利益の中から、借りていたお金を返し、株主に配当を払い、経営者のお礼も払います。基本的に利益が多ければ、株主に出せる配当は多くなり、お金を増やしてほしかった株主は喜びます。dollar

 

 そこで経営者は、お金をなるべく使わないように気をつけ、同時に製品を売る時は高く売ろうとします。

 

 「お金をなるべく使わないようにする」ということは、材料を買う時は少しでも安くし、従業員に払うお給料はなるべく少なくするということです。こうして経営をするのに必要なお金を節約します。そうすれば利益は大きくなります。

 

 この時、注目しておくべきことは、「利益というのは、『何かを買ったお金』でも、『何かを売ったお金』でもない」ということです。

 

 「何かを買ったお金」であれば、社会に存在している生産物やサービスを買ったお金です。「何かを売ったお金」であれば、社会に生産物やサービスを売ったお金です。このお金はどちらも、社会に存在している生産物やサービスを消費したか、生産をした結果のお金なので、生活循環の一部です。recycle

 

 ところが利益はその両方の差額であって、社会の生活循環の中の、消費からも生産からも、削り取られるようにして、大きくされます。updown

 

 ところで株主は「自分の財産を増やしてほしい」と思ってお金を出したのですから、配当金はたくさんほしがります。経営者はつねに努力をして、株主にたくさん配当を出せるようにしなくてはいけません。

 

 経営者はぎりぎりまで、努力をします。材料を買う時は、値切ります。そして、従業員の仕事のさせ方を工夫します。sweat01

 

 従業員の人数をできるだけ減らして、その人たちによく働かせれば、支払うお給料の金額を減らせます。人員削減です。

 

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 働く方は大変です。たとえば本当は4人でするのがちょうど良いような仕事でも、3人半とか、あるいは3人でしなくてはいけなくなります。当然、仕事がとても忙しくなります。sweat01

 

 そうなると、エンデの「モモ」に出てきた床屋のフージーさんのように、よけいなことは一切せずに、時間を倹約して、なるべくたくさんの仕事をこなさなくてはいけません。clock

 

とにかくたくさん仕事をして、お客さんからたくさんお金をもらわなくてはなりません。株主が求めているのは、お金だからです。dollar

 

株式会社がそうすると、世の中の、株式会社ではない小さなお店なども、そうしなくてはいけなくなります。株式会社にお客を取られてしまえば、自分たちのお店がつぶれてしまいます。そうやって、社会の誰もが忙しくなってしまいます。sweat01sweat01sweat01

 

「モモ」の物語に出てきた、スピード料理のレストランの、ニノのように。sweat01

 
あるいは売れっ子になったエンタティナーのジジのように。sweat01

 
そして、ただせかせかと、仕事への愛情なども持たずに、掃除をし続けるべッポのように。sweat01

 本当はそうしたくなくてもそうしなくてはいけなくなってしまいます。sweat02

 

こうなると仕事は、もはや楽しくありません

 

でも株主は、お金を増やしてほしくて出資をしたのです。のんびりと仕事をする人は、クビになってしまうかもしれません。sweat01経営者だって、本当は会社の経営がしたかったのだから、そのようなことはしたくないかも知れませんが、でも、お金を増やしてあげないと、経営者自身もクビになってしまうかもしれないのです。sweat01

 

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6

 

仕事とは本来、働く人にとって無理のないスピードで、それぞれがshine愛情と誇りshineをもってしていたはずのことだったのに…。

 

まさしく「時間どろぼうに、時間をぬすまれている」状態です。

★★★★★★★

 そして、ここでいま一度振り返ってみたいのですが、株式会社における3種類の関係者の中で、「利益とは、いったい誰が生み出しているものなのか?」という問題です。3種類の関係者とは、株主経営者従業員です。

 

株主でないことは、明らかです。株主はお金を出しただけであり、社会に何も生産していません。

 

でも経営者と従業員は、社会に生産をしています。経営者は組織の経営shineというサービスを生産しています。従業員は実際に生産shineをしています。両者は、生活循環を支えているのです。recycle

 

利益は、本当は経営者と従業員のものだと、私は思うのです利益は、両者の生産の代価です

 

これが、私が見つけた「時間どろぼう」の正体です。shadow

★★★★★★★

 そしてここで、資産運用全体に立ち返りますが、お金を発行している銀行もまた、(少なくとも市中銀行は)株式会社です。ということは、お金を発行している組織そのものが、もともと株主の利益を目的とする、私的な組織であるということです。

★★★★★★★

 
以上が、私が考える、現行のお金の問題点です。pen

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