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うどんのおいしさと、経済学

 先日、NHKの「ためしてガッテン」を見ていました。その日のテーマは、「うどん」でした。

 

 私は讃岐うどんが好きです。つまり私は「コシのあるうどん派」です。

 

 コシがなくて、お箸で持ち上げたら途中で千切れてしまうような「根性ナシなうどん」は、イマイチです。うどんは絶対に、コシのあるうどんがおいしいのだと思っていました。

 

 ところが放送を見ていたら、驚きました。うどんの好みというのは、人によってけっこう違うのです。

 

 中でも驚いたのは、「伊勢うどん」という、まったくコシのないうどんです。私からしてみると「超根性ナシうどん!」です。ところがこのうどんが好きと言う人もまたいるのです。

 

 その反対に「吉田うどん」という、讃岐うどんよりもさらにコシのあるうどんというのも、紹介されました。「讃岐うどんよりも、さらに…」ということになると、今度は私の方がひいてしまいます。sweat01

 

 「コシのあるうどんがおいしい」という私の信念は、単なる好みのひとつに過ぎなかったのだと知りました。誰にでも通用する、「うどんの絶対的なおいしさ」というわけではなかったのです。

 

 この日の番組はとてもよくできていたと思います。

 番組では「うどんのコシとは、どういうことなのか」を、まず明確に定義づけ、それからその「コシができる過程」を、MRIで撮影した断面写真を使って解説していました。そして最後に「家庭でコシのあるうどんを作る方法」や、「釜揚げうどんのおいしい食べ方」の紹介です。

 

 「コシのあるうどんと、コシのないうどんの、どちらがおいしいか?」などという、どうでもいい論争には入らずに、つまり、どちらがおいしいかについては判断せず、ただその「コシ」というものがなぜできるのか?、家庭で作るにはどうしたらよいかを解明していました。

 

 これが肩凝りとか、不眠というような、体の不調の問題であれば、もちろん単純に「不快な症状がない方がいい」という価値判断で、不調の説明がされるのだと思います。でも今回はうどんだったので、そういう展開でした。

 

 見ていて「なんだかいいなぁ」と、思いました。shine

 

 大学の経済学の勉強を始めたら、経済学という世界が意外と泥くさくて、早くもうんざりしています。まるでうどんの「どちらがおいしいか論争」を見ているみたいです。

 

 どんなに「おいしい」といっても、結局は好みに過ぎません。

 

 「完全雇用社会が好き」、「弱肉強食社会が好き」。どちらも単なる好みだと思います。

 

 善悪だって、社会や文化が変われば変化してしまうものに過ぎず、単なる価値判断であって、うどんのおいしさとそう変わりません。

 

だから経済学者はまず自分の好みを明確にしてから、持論を展開してくれればいいのにと思います。

 

コシのあるうどんが好きな人と、コシのないうどんが好きな人が一緒になって、おいしいうどんの作り方を論争していると、いつまでも「おいしいうどん」ができないと思います。

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