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出生前診断と経済社会

 昨日(16日)のNHKスペシャルは、「出生前診断 その時夫婦は」という内容でした。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0916/index.html

 

 科学技術の進歩によって最近は、妊婦さんが受けるエコー検査で、胎内にいる赤ちゃんの病気や障害までが、高い精度でわかるのだそうです。

 

その一方で、人工妊娠中絶ができる期間は法律で定められているため、赤ちゃんに障害があることがわかったご両親は、その時期までにとても辛い決断を迫られます。

 

 「辛い」というのは、従来であれば赤ちゃんの障害を知ることなく、出産に至るという場合もあり、そうなるともうご両親には、育てるよりほかに選択肢はありませんでした。

 

 ところが現代では、赤ちゃんがまだほんの小さな段階から、病気や障害についてわかってしまいます。そしてまたあまりにも、赤ちゃんの状態がわかり過ぎるのです。

 

 赤ちゃんの、まだ6mmでしかない心臓が動いているということさえ、わかるそうです。また成長して、顔だちが出来上がっていく様子まで、見えるそうです。

 

 これはご両親にとっては、本当に辛い選択です。

 

 従来であれば、人工妊娠中絶という行為について、その行為の重さをお医者さんや看護師さんたちで背負ってくれていたのですが、現代ではご両親もまた、その心の負担を背負わずにはいられなくなりました。

 

 赤ちゃんを待ち望んでいたご両親としては、もちろん画像を見てしまうとほとんどが、おそらく「生みたい」と思うでしょう。

 

 たとえ障害を抱えているとしても、小さな、一生懸命に生きようとしている生命を見てしまうと、「なんとかしてあげたい」と思うのは、人間としてまったく自然な気持ちだと思います。

 

 でもその時にのしかかってくるのが、経済的な負担や、生まれた後の世話についての、圧倒的な不安です。

 

 家庭によっては、お母さんが働きに出なくてはいけない家庭もある。介護するお年寄りを抱えている家庭もある。先に生まれている兄弟もいるのです。

 

 そして生まれてくるお子さんは出生後、いったいどのぐらいの世話が必要になるのかも、わからない。また将来大きくなっても、仕事に雇ってくれる企業は少ないという現実などもあります。

 

 あまりにも重すぎる負担です。

 

 番組の中では幸い、生まれてきた赤ちゃんは、家族に囲まれ幸せそうでした。

 

 日頃から「もっとスマートで、もっと愛のある経済社会がいい」と考える私は、思います。

 

 地球は、科学技術の進歩に比べて、経済の進歩があまりにも遅れ過ぎていて、両者の間に、アンバランスな状態が起こっているのだと思います。

 

 せっかく生まれてこようとする赤ちゃんを受け止めてあげるために、社会にはご両親の家計を支える仕組みも必要だし、また家族の外からも、障害を抱えているお子さんを十分に手伝ってあげられる仕組みも必要です。

 

 それなのに資本主義社会では、その両方が難しい…。

 

 科学技術の発展は、人類の進歩という点で良いことです。

 

 問題は、経済があまりにも、いつまでも幼稚な状態にあるままで、「人間的な成長ができていない」ということにあるのだと思います。

 

*図書館で見かけた本です。現代はこのようなことまで「見える」のですネ。感動します。shine
本:「出生前の私を見て!」

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