« コンビニ・スィーツの有難味♪ | トップページ | 言葉の使い方と、差別、偏見について »

法律なんか、道具でしかない

チョコレートドーナツ」という映画を観てきました。shine

 

http://bitters.co.jp/choco/index.html

 

 ゲイのカップルとダウン症の少年が、家族となって暮らすお話です。

(この先ネタバレしています。ご注意ください。)

 

 ショーダンサーのルディと弁護士のポールは、出会ったばかりのゲイのカップルです。

 

 出会ってすぐにルディは、母親が麻薬中毒でいなくなってしまったダウン症の少年、マルコと知りあいます。

 

 マルコの母親は、薬物所持で逮捕されてしまったのでした。

 

 ルディとポールはふたりの関係を「いとこ(従兄弟)」と偽り、マルコの母親から服役中の暫定的監護権を得て、正式にマルコと暮らし始めます。

 

 三人での生活は穏やかな優しさに満ちていて、とても楽しいものでした。shine

 

 ところがふたりがゲイのカップルであることが周囲に知られてしまい、関係を偽ったことが原因で、マルコは家庭局に連れていかれてしまいます。

 

 マルコと再び一緒に暮らすため、ふたりは裁判に挑むのですが、ゲイへの偏見に満ちている周囲の見方は厳しいものでした。

 

 それでも粘り強く、裁判を乗り切っていこうとするふたり。

 

 ところがゲイに強い偏見を持っている検察官の司法取引により、マルコの母親が刑期を短くされて出所して、マルコの永久監護権を申請します。

 

 実母の申請を前にして、ふたりにはもう法的な勝ち目はありませんでした。

 

マルコは母親のもとに送られます。

 本当は、ふたりと一緒に居たいのですが…。

 

 マルコを本当に愛しているのは誰なのか?

 

 ルディとポールにとっては、マルコにめがねを買ってあげることも、マルコを学校におくってあげることも、マルコが上手に歌えるようになることも、そして毎晩マルコに眠る前のお話をしてあげることも…。

 
マルコと一緒にいる何もかもが、楽しい時間でした。shine

 
ゲイのカップルであってもふたりはもちろん、子どもであるマルコに性的な悪影響を与えるようなこと(性行為など)は決して見せないし、マルコには温かく家庭的な住環境を整えて、マルコの心を大切にしながら育てていたのです。

 

 興味深いことに愛情を仕事にしている人たちは、マルコの両親であるふたりがゲイのカップルであることを、それほど問題であるとは考えませんでした。

 

 学校の先生や家庭局の職員はマルコに会えば、わかったのです。

 

マルコが落ち着いて、幸福そうであるということは、ふたりがとても良い両親なのだということが。shine

 ふたりがゲイであることにこだわったのは、マルコに会うこともなく裁判に関わった人たちでした。

 

 なかでもゲイへの激しい偏見を持っている検事は、マルコの幸福など視野に入っていないかのように、執拗に裁判の論点をゲイへの攻撃に誘導します。

 

 ルディの歌を聞かせるために、マルコをルディの職場である営業時間外のゲイバーに連れていったこと。

 

ハロウィンの時に3人で仮装をした時に、たまたまルディが女装をしていたこと。

 

 3人の中ではまったく自然にそうなったことにさえ、それらをいちいちマルコへの有害な行為として、巧みに法廷で言葉を引き出します。

 

 母親が永久監護権の申請をしたことで、法律ははっきりと母親に勝利を与えました。検事もまた、勝利を得たと言えるでしょう。

 

 ところがこの判断は後になってから、マルコに大変悲しい結末をもたらします。

 

 マルコを引き取った母親は、家に連れ込んだ男と性行為をするために、部屋の片隅にほったらかしにしていたマルコを、部屋から廊下に出させます。

 

 ひとり廊下に出されたマルコには、ルディもポールもいませんでした。

 

マルコはそのまま、夜の町に歩き出していってしまいます。

 

偏見に満ちていた正義感は、ひとつの幸せをうち砕き、ひとつの生命をもまた壊してしまうのです。

 
この映画の見どころはもちろん「愛」ですが、私は法廷のシーンも印象に残りました。

 

 「法律は、それ自体ではただの道具にしか過ぎない」と思います。

 

 刃物が料理に使われ、同時に人を傷つけるための道具にもなり得るように、法律も単なる道具に過ぎません。

 

 善い人が使えば誰かが守られ、悪意のある人が使えば誰かが傷つけられてしまうのです。

 
この映画は、
結末は悲しい映画ですが、不思議と心に残るのは温かな印象です。shine

 

ルディを演じたアラン・カミングが最後に歌う「I Shall Be Released」が心に響きます。shine

 

 ほかにも「Come To Me」など、素敵な音楽がたくさんありました。shine

 

http://www.youtube.com/watch?v=aJM3prwlQKE

 

|

« コンビニ・スィーツの有難味♪ | トップページ | 言葉の使い方と、差別、偏見について »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52049/60295680

この記事へのトラックバック一覧です: 法律なんか、道具でしかない:

« コンビニ・スィーツの有難味♪ | トップページ | 言葉の使い方と、差別、偏見について »