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「見えなかった星々」の海の中で…(「測定されない資産」について)

「バランスシートで読みとく世界経済史」の第10章を読んだ時、私の中には衝撃的な変化が起こりました。shine

 

 以下、記してみます。

 

 環境会計というものに触れた時、はじめは著者の言いたいことが、わかりませんでした。

 

 私の中にはまだ、環境というものを資産としてとらえる見方がなかったのです。

 

 読み進めていくうちに、著者の言いたいことがわかってきました。

 

 バランスシートというものは、貨幣による金額で価値を測定できるものしか表示できず、それゆえに、バランスシートの外側には、貨幣による金額では表示されない資産が存在しているのです。shine

 
でもその資産は、「貨幣による金額がついているものしか、表示できない」という、複式簿記の限界ゆえに、バランスシートに写し出されることがない。shine

 
自然環境というのはそうしたものであり、それゆえに経済学で言うところの「外部性」という言葉によって、どれほどの破壊を受けても、破壊者が罪に問われることはなく、その損壊が続いている。thunder

 

その時まで私は、バランスシートというものを、その整合性のおもしろさから、ただ、良く出来たパズルを見るような気持ちで見ていました。

 

でもこの時、私は衝撃的な気づきを得たのです。shine

 

複式簿記によるバランスシートが表現できるのは、現実の多様な経済活動全体の、ほんのわずかな部分でしかなかったのです!

 

バランスシートが現わす左右対称の四角の外側に、大変な量の数値化されていない経済事象が存在しています。shine

 

その衝撃は、意識がどこか、別の世界に飛ばされるような感覚でした。

 

10年に1回、あるかないかの意識の衝撃です。

 

それはまるで、暗い、深い、海のような夜空に、一瞬のうちに放り出されたような感覚でした。

 

 真っ暗な、深く真っ暗な、身体の重心がとれないような空間で、私はようやく、もがくようにして、身体の姿勢を保ちます。

 

自分の重心がとれた後、不器用な子どもが泳ぐように、私は真っ暗な夜空の漆黒を見つめました。その途端、まるで急激に意識が開かれるように…!

 

真っ暗だと思っていたのは、誤りでした。

 
意識を向けた途端に、たくさんの星々が音を立てるように光り始め、私の目の中にその煌めきの光を投げつけます。shine

 

その輝きは、見つめれば見つめるほど、小さな星々までもが目に映り、気がつけば暗闇は大変な数の星々の海だったのです!shine

 

煌めく星の海を見つめながら、私は頬を落ちる涙を感じていました。

 

「経済の本を読んで、泣いた」なんて、はじめてです。

 

「もう、何も考えられない」と思うのに、意識は容赦なく、私の中に流れ込んできます。

 

自然環境だけではない。

 

私たちの世界には、測定されない資産があまりにも、たくさん、多過ぎる!shine

 健康や平和と言うのも、そうしたもののひとつだったのです。shine

 

 旅に出る時に、普通、私たちは自然と、安全で楽しそうな地域を選びます。

 

 子どもが、骨が見えるほどやせている場所でなく。

 

 少年が武器を持ち、少女たちがつらい思いをしている国でなく。

 

 女性が苦しい目をして生きる国でなく、男性が嘆きと憎悪に満ちている国でなく、老人が悲しみにくれる国でなく。

 

 私たちは、人が楽しそうに、健康そうに、安全に生きている地域を選びます。

 

 それは、その国が、測定されない資産において「豊かである」から、選ぶのです。shine

 

 しょっちゅう、テロリストに狙われる国というのは、「安全」という資産が少ないのです。

 

 原子力の事故によって、健康の心配をしなくてはいけない国は、「保健」という資産が少ないのかもしれません。

 

 そして、人が温かい気持ちで助け合っている国は、「社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)」と呼ばれる資産が、大きいのでしょうか。heart

 

 GNH(国民総幸福量)という概念も、おそらくこうした「まだ、見えていない資産」の世界に属するものでしょう。

 

 そうした、人間の生存にとって、すべての快適さをもたらすあれこれを、「貨幣価値では測定されない資産」としてとらえることができた時、著者の言うとおり、会計は地球を救えるのかもしれないし、人間そのものを救うかもしれません。

 

 すべてはこの「見えなかった星々」の世界にかかっているのだと、思いました。shine

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