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日章丸二世と「天のうづめの命」の絵

 ひとつ前の記事を書いていたら、出光佐三の名前が出てきたので、ある絵画のことを思い出しました。

 

3月に出光美術館で開催されていた、小杉放菴(こすぎほうあん)展で見た作品です。

 

「天のうづめの命」という壁画でした。

 

 こちらが、図録から撮影した画像です。(図録には折り目のない画像がありませんでした。残念です。)

Img_0544_2

 小杉放菴(1881-1964)は、明治・大正・昭和の時代を生きた画家です。

 

 当時は洋画と日本画の画壇が厳しく別れていたそうですが、放菴は洋画も日本画も描いています。

 

本人の中ではどちらにも通じる、とらわれない感性があったそうです。

 

 放菴は、出光佐三と交流がありました。

 

この作品は、昭和26年、当時竣工したばかりの日本最大の出光興産タンカー日章丸二世のために、描かれたものです。

 

 かの、日章丸事件の船ですね。

 

 思っただけでもドキドキ、緊張してきます。

 

 壁画は船長室に掲げられてありました。

 

 図録には、次のような説明が書かれてあります。

 

(引用始め)

 

 英国海軍の目をかいくぐってイランから石油を運ぶ密命を唯一知らされていた船長は、この飄々とした明るい踊りにさぞ勇気づけられたであろう。天照大御神である太陽は日本を象徴し、天のうづめの命のような機転と力強さで、戦後日本の復興を先導して欲しいという祈りがこの絵に込められていたからである。

 

(引用終わり)

 

 ちなみにこの絵のモデルは、ブギの女王・笠置しづ子さんだそうです。

 

 「天のうづめの命」の表情をアップにすると、こんな感じです。(こちらは、チラシから撮影したものです。)

 
大らかな、とても明るい笑顔です。

Img_0550_2

 小杉放菴の作品には、温かく、優しい雰囲気の作品が多いのですが、そこにはいつも、祈りのような思いを感じます。

 

 出光美術館で見たこの作品は、静かな空間に透き通るような、明るく、楽しい雰囲気を放っていました。

 

 放菴の祈りが伝わってくるかのようでした。

 

*図録は出光美術館のサイトから購入できます。

http://www.idemitsu.co.jp/museum/shop/illust/index.html

 

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