お金の勉強になる本や資料

本 : 「日本の『安心』はなぜ、消えたのか」(山岸俊男著)


 社会心理学の本です。

 

 とてもおもしろかったです。shine

 

 興味深く感じたトピックがいくつもありました。

 

 たとえば、他人に対する信頼感の話、それから集団内のいじめを防止しようとする話、そしてジェノア商人の話などです。

 

 この本を読んだことで、私は新しく考えるようになったことがいくつかありました。

 

 それは社会というものは、どうやら全員が善人でなくても「なんとかなる」らしいということです。

 

 もちろん社会の中には、悪い人はいないにこしたことはありませんが、例えば悪い人たちが少しぐらいいたとしても、その人たちが「悪いことをしにくい社会」にするのは可能かも知れないということです。

 

 そしてまた、社会がある方向に大きく動いていく時には、特定の主張を声高く掲げているような一部の人たちの言動の力ももちろん大きいでしょうが意外にも、その社会に属している「どちらでもいいかな」と考えている人たち、つまり「日和見主義者」にあたる人たちの行動というものは、とても重要な力になるということです。sun

 

 ほかにも考えるようになったこととしては、社会における法律や制度というものを上手く使うことで、ある程度ではあるかも知れませんが、社会の成員の行動を誘導的に促したり、その反対に抑制的に促したりすることもできるということです。

 

 ということは、社会における法律や制度を変えることによって、もちろん経済活動に関わる人間の行動にも、変化を与えられる可能性があると言うことです。shine

 

 このことは、私のように資本主義社会がキライ!であり、そしてもっと人間に優しい経済社会を目指していきたい者には、とても重要な情報です。

 

 読みやすい本ですが、私にとっては本当におもしろい本でした。book

 

 そして内容とはあまり関係がないかも知れませんが、この本は挿画がとてもカワイイです!heart

 

 本文の内容とマッチした、印象的でオモシロイ挿画がたくさん出てくると、ますます本の内容がおもしろくなってしまいます。

 

(本当は写真で公開したいところですが、著作権について考えることが面倒になってしまったので、挿画の写真は控えました。ちなみに挿画はタケウマさんです。)

 

*^^*

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成功者マインドを楽しめた特集♪

 1年も前の雑誌ですが、コピーを取りたかった記事があり、図書館から借りました。そうしたらすっかりほかの記事もおもしろくなってしまい、熱心に読み込んでしまいました。

 

 雑誌「PRESIDENT」の2012年4月2日号です。特集は「お金に愛される習慣」です。shine

   

 

お金持ちの人がたくさん出てきます。

 

人の紹介とその状況だけでなく、その人たちの心の持ちようである、いわゆる「成功者マインド」に焦点を当てています。「お金持ち研究」というよりも、「お金持ちマインド研究」です。

 

 お金にこだわっている特集ではありますが、とても健全な気持ちでお金にこだわっている特集だと思いました。ガツガツとしたいやらしさがないので、素直に楽しめます。

 

こうした健全な「お金持ちマインド」や「成功者マインド」について知るのは、楽しいです。shine

 

 中でも私が意外に面白く感じたのは、投資家ジム・ロジャーズの記事でした。

 

 そこには、投資にあたる際には、いろいろな情報を自分で徹底的に調べて、自分で考えるという姿勢が語られてありました。ちょうどこのブログで、このところ仕組み債について考えていた私には印象的でした。

 

 長期であれ短期であれ投資とは結局、だいたいの場合は賭け事であると私は思っています。

 

ところがジム・ロジャーズの場合には、とても真剣な姿勢で投資に向かっているので、そこに「賭け事」という安い言葉を使ってしまってはいけないような気持ちになってしまいます。

 

 いわゆる射幸心による投資や人まかせの投資などと、彼がしている投資はその心の中においてまったく違うのです。ジム・ロジャーズの場合には金融商品の仕組みはもちろん、世の中の情勢、歴史的な過去の経済の動きなど、ありとあらゆる情報を集めて自分で考え、自分で判断してから「賭けて」います。

 

 「調べたり、考えたりすることが面倒だと思うなら、最初から投資などしない方がいい」とさえ、彼は言います。よくわからないものになど、投資をするべきではないと。

 

 このブログの趣旨としては、私は社会全体のことを考えて、資産運用、利殖という社会の習慣に反対です。

 

 でもその一方で、現実に私たちの生きている社会が資本主義社会である以上、その社会の仕組みを自分で調べ、考え、自分で判断してお金を増やすという行動は、むしろその人の賢明さの現れなのだという気持ちになりました。

 

 もっともそうして得たお金を、いったい何のために使うのかというところで、今度はその人の人間性の別の一面が表現されるということです。heart

 

 この号はほかにも家計に関する話題や中谷巌さん、堀紘一さんの記事などもあり、とても面白い号でした。

 

 ところでこの雑誌を読んでいたら、私にしては珍しいことが起こりました。なんと私が生まれてはじめて(!)、ルイ・ヴィトンのバッグの広告に見とれてしまいました…。

 

 ブランド物のバッグに私が関心を持つなんて、絶対にあり得ないことだと思っていたのですが。

 

 アンジェリーナ・ジョリー、ルイ・ヴィトン、自然の風景と、すっかり私のツボを押さえられてしまいました。あまりにも絶妙過ぎる組み合わせで、思わず完敗です。sweat01

 

(ちなみにこちらがその広告です。)

 

 それにしても…。

 

 どうやらこの号を読んでいるうちに、すっかり「成功者マインドshine」に染まってしまった気がします。「成功者マインドを味わいたければ、この1冊!」ということでしょうか。dollar

 

 そしてひと時成功者マインドに染まって、しばしの夢を見た後に気づいたのですが、探していた記事は本を借りなくても、ネット上に無料で公開されてありました…。

 

(^^;)

 

 あまりにも「楽し過ぎる寄り道shine」をしてしまいました。dollar

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本 : 「手にとるように株・証券用語がわかる本」



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 図書館で見かけて、「わかりやすいから借りたい」と思った本ですが、貸出枠ぎりぎりまで借りてしまっているので、借り損ねてしまいました。

 

 私は金融商品の知識も十分ではないのにこのブログを書いていますので、こうした本を手に取るとドキドキしてきてしまいます。

 

 自分がものすごくピントはずれなことを書いていて、金融の知識がある人から見たら、すごくみっともない誤解をしているのではないか?と、いつも心配な気持ちでいるからです。

(^^;)

 
この本はとても説明がわかりやすいと思いました。ブログを書く上でできれば手元に置いておきたい1冊です。経済小説や経済ドラマを理解したい時にも良さそうです。

 

 短い時間でしたが、「日経平均株価」」、「デリバティヴ」、「空売り」の、言葉の意味を確認してきました。

 

*リンク先のAmazonのページから、内容の一部が閲覧できです。

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本 : 「[痛快]節約術」

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  男性が書いた、節約本です。

 でも、節約本とは言っても、著者は「はみ出し銀行マン」シリーズの横田濱夫さんです。

 節約の考え方が、男性的でカッコいいんです。shine

 企業経営の考え方を家計に当てはめて、まるで樹木の剪定でもするかのように、バッサバッサ!と、家計のムダを切り捨てていきます。

 たいがいの女性や主婦が思いつくような、ちまちました、小手先だけの節約術とは違います。

 家計のバランス・シートを作ってから、大きな見方で家計をとらえ、その後は「実行あるのみ」とガンガン行くのです。

 その時の、節約にあたる心構えですが、「あなたは中小企業のカルロス・ゴーンだ!」とはじめにビシッと決め、それから節約術の説明に入ります。

 
「あなたも今日から、コストカット上手の名経営者になろう!shine」というのです。

 そして、このような考え方も書かれてあります。

(引用始め)

 節約を『ケチ臭い』とか『カッコ悪い』とか言ってる奴には、勝手に言わせておけばいい。もはやそんなのは古すぎる。時代の変化も嗅ぎ取れない、センスの悪い鈍感野郎だ。

(引用終わり)

 

 なるほど。たしかに経営者という人たちは、時代に振り回されるのではなくて、時代を読みながら、時代に合わせて積極的に行動を選択してゆくべきものなのでしょう。

 

 この本は、時代を先読みして先に行動しようとする、「積極的な、家計の節約術shine」の本なのです。

 

 この本が発行された2003年からずいぶん時間がたってしまいました。

 時代に合わせて、10年おきぐらいに、発行しなおしてほしい本だと思います。

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本 : 「『家庭簿記』入門」(依田宣夫著)

 簿記がおもしろくなってしまった経理事務員には、時々調子にのってしまい、「おもしろいから、この方法で家計の決算書を作ってみよう!shine」などと、考える人もいると思います。

 

 そういう事務員の中には、実際にちゃんと家計の決算書を作れた人もいると思います。

 

 でも私は何度かトライして、その結果、何度か失敗していました。

(^^;)

 

 その原因は…。

 

 今ならわかりますが、企業の簿記と、家計の簿記は、お金の状態を記録する目的」が違うのです。

 

 そのために企業の簿記と、家計の簿記は、いろいろなところが違ってきます。

 

 まず勘定科目として取り上げる「実際の財産」も、少し違ってきます。

 

また記録のために投じるエネルギーの量、つまり労力も違います。

 

 (家計簿にトライして、挫折する女性は多いと思います。)sweat01

 

そうしたことを知らずに、企業の簿記の方法だけを真似をすると…。

 

おそらく私のように、途中でなんとなく違和感を感じ始め、同時に面倒くさくなってきて、最後には「忙しいから、もうやーめたっ!」ということになってしまうと思います。

 

せっかく経理事務員なのに、その時はちょっと「敗北感」

(;;)?

 

 

株式会社の簿記の目的と、家計の簿記の目的は、ちょうど反対です。

 

株式会社の簿記の最終目的は、社外に存在する株主の、「出資したお金が増える」という満足です。dollar

 

でも家計の簿記の最終目的は、家庭内にいる家族が、「お金を上手に『使って』、楽しく暮らす」という満足です。riceball

 

この本では、その満足のことを「消費満足」という言葉で表現しています。

 

この本は、家庭用複式簿記の手順書です。

 

 「貸方」、「借方」という言葉は使いません。「左方(ひだりかた)」、「右方(みぎかた)」という言葉を使います。

 

 仕訳を集計した結果、出来上がる書類は「財産対照表」と「消費損益計算書」です。

 

 著者は、学者さんではなくて、公認会計士・税理士・AFPさんでした。

 

 いろいろとお勉強になりました♪

携帯用リンクです。

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「経済」を知らずに学んでも…

 ひとつ前の記事で、上杉鷹山のことを書きました。

 

 私は学生の頃、理科系の科目はもちろんですが、その上、社会科もたいして好きでなく、とくに「政治、経済なんて、絶対に一生、自分には縁がないでしょう!」と思っていました。ですので授業の間は、いわゆる社会科の科目は、とにかく機械的な暗記の時間でしかなくて…。sleepyclock

(もうこれ以上は、書けません…。^^;)

 

 でも最近になって思うのは、それは「経済」というものが、わからなかったからなのだと思います。

 

それも経済というものが、「市場がどうのこうの」とか、「限界効用がどうのこうの」とか、そういうことがわからなかったのではなくて、単純に「経済って、何をしているの?」という、それがわからなかったからだと思うのです。sign02

 

だから、地理も歴史も公民も、その起こっている出来事の意味がわからなかったのです。

 

ちなみに私がここで、「わかった!shine」と思っている経済は、学校などで教わる、「教科書的な経済」ではなくて、私が自分で調べて、自分で理解した経済です。

 

でもそれがわかってから、いわゆる社会科の科目というものが、本当におもしろくなったのを感じます。heart01

 それはたまたま、仕事の場で学生用の教材を扱う機会があり、そのように感じている自分に気づきました。

 

地理で出てくるいろいろな土地の気候や、産業、特産品、そして歴史に出てくるいろいろな出来事や戦争など。そうしたものは「経済とは何をしているのか?」がわかれば、もはや機械的な暗記ではなくなって、とても立体的な、人間の意図が写し出された物語として、展開し始めます。horse

 

歴史の中の昔から、世界中のあらゆる場所に、そして私たちが生きている、本当に普通の日常生活の中に、「経済shine」という活動がありました。

 

だから「経済とは、何をしているのか?」を知らずに、中学生や高校生が地理や歴史を学ばなくてはいけないということは、とても残念なことだと思います。

 

自分で考えて、「経済という活動が何をしているのか、わかったshine」と思っている私の、もうひとつの新しい発見は、経済というものがわかると、人間に対する見方が変わるということです。shadow

 

ひとつ前の記事で書いた上杉鷹山などもそうですが、歴史の中に出てくる人物が、その知名度とはそれほど関係なく、「誰の幸せを考えて生きた人なのか?shine」という、そういうことがよくわかるようになります。

 

経営者と言う人たちについても、ただの野望や強欲だったのか、それともシンプルな経営の追求shineだったのか、そういう違いが見えてきます。

 

そうやって世界の情報の中に、あるいは歴史の中に、その生き方を見て、shineドキドキshineするような人物を見つけていくのは、私の楽しみのひとつです。note

 

経済というものを知らなかった時の自分を思いますと、それはしかたのなかったことではあるのですが、それにしても、「なんだかもったいなかったなぁ…」と思います。

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本 : 「会計についてやさしく語ってみました。」(平林 亮子著)

 女性の公認会計士さんが書いた会計の本です。

 手にとってパラパラっと見てみたら、本当にやさしい感じで書かれてありました。そこで図書館から借りてきて、「さぁ、読もうかな」と思っていたら、突然生活が忙しくなってしまい、やむなく近日中に返却となりそうです。(ざんねん…。)

 いつかまた時間ができたら、ちゃんと読もうと思います。

 この本の中で、とりあえず今の時点で私が気に入っている個所は、「第5章 会計で世の中を追いかけてみました。」という章です。

 著者は、私が以前に思いついたのと同じことを、すでにもうこの本の中に書いてありました。それは簿記を使用して、世の中のあらゆる経済主体の貸借対照表をつなげていけば、世の中の経済主体は、必ずつながっていくのではないか?というアイデアです。

 このような奇妙なことを思うのは、てっきり世の中には、私だけではないか?と思っていたのですが、そうしたら著者は2006年の1月にはすでにもう、そう考えていたようです。(笑)

 お金は人工的なものであり、お金が存在するということは、必ずそのお金を発行した経済主体が存在する。そうしていったん発行されたお金は必ず、世の中のすべての貸借対照表の、おそらく現金と預金の残高として現れる。(貸借対照表に現れる「資産」という意味ではなく、現金と預金だけに現れるのだと思います。)(銀行簿記というものがわかれば、「お金とは何か?」という、もっと根源的なことまで説明ができるかも知れません。)

 経済学はどうして、このシンプルな考え方を使って、経済事象を考えようとしないのだろうか?と、不思議に思います。この考え方を使えば、実体のある財やサービスの生産については何も説明はできないとしても、少なくとも金融危機が起こっている状況ぐらいは、正しく説明できそうなものだと思います。

 世の中でたくさんの家計が貧しくなっているとしたら、その時不足分のお金は必ず、世の中のどこかの貸借対照表の現金、預金の欄にたくさんの残高となって、存在していると思います。そして、その残高を減らしてあげるような政策や仕組みを作れば、たくさんの貧しくなっている家計は豊かになるはずです。

 そのような私が関心のあるテーマについてはともかくとしても、この本にはそのほかにも、会計について考えてみたい話題がいろいろありました。

 文章の雰囲気が穏やかで、私の好みと合う本なので、いつかまた時間ができたらゆっくりと読み、またいろいろと、考えたいと思います。

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本 : 「なぜ『会計』本が売れているのか?」(友岡 賛著)

 はじめに書いてしまいますが、この本の表紙はとても派手なピンク色をしています。しかもピンク色というだけでなく、ピンクと白のしましまもよう!です。まるでキャンディの包み紙みたいです。



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このような、♪ピンクと白のしまシャツ・パンダ?、のような本が、会計の本だとはとても信じられません!(^0^)

 でも読んでみたら、ちゃんと会計の本でした。おまけに、かなり大切なことが書かれてある会計の本でした。

 この本では、よく売れているという8冊の会計の本を取り上げて、著者の視点からの分類をしています。有名な「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(山田 真哉著)、「なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?」(小堺 桂悦郎著)、「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるのか?」(林 總著)ほか5冊です。

 ちなみにその8冊の中で私が読んだことがある本は、「さおだけ屋」(途中で挫折)、「社長のベンツ」(はじめの方の少しだけ)、「餃子屋とフレンチ」(いちおう最後まで)という状況です。

 読んでみると「ああ、そういうことだったのか」と思えることが、ずいぶん出てきます。

例えば「社長のベンツ」は、「おもしろそう」とは思っても、私には何か違和感があって、読み進む気持ちにはならなかったのですが、それはこの本が中小企業の経営者向けに書かれてあったから、だったのでした。私は税金よりも、配当金の方に興味があったので「何かが違う」と感じたのです。

そういう風に、著者の分類をとおしてみると、いろいろな会計の本というものも、一様に同じことの表現を変えているというわけではなく、それぞれ対象としている世界が違っているのだということがわかります。

 会計に関わる人には、会計をやる人(財務諸表を作る人)と、会計を読む人(財務諸表を読む人)が存在する。

会計というのは「カネ勘定」であって、「カネ儲け」ではない。

利益は、会計の中にしかない。(!)(←ええっ?!)

利益を生み出すには、実際の経営における行動によって利益が変わる場合もあれば、会計という「写像」の写し取り方によって、利益が変わることもある、などなど。

 読んでいると「なるほど~」ということが、たくさん出てきます。

 また、私が読んでみて一番「そうだったのか!」と思ったのが、実は財務会計と管理会計の説明でした。(笑)

この本を読むと、ものすごくすっきりとわかってしまって、いったい今までに手にしてきた、たくさんの会計の本は、何だったのか?と思います。

 ちなみに私は、著者のこうした「はっきりとした言い方」が好きなので、著者の本のファンなのだと思います。

ただしこれは単に、私がそれだけ慎重?というか、要するに「ものわかりの悪い人間」だということだと思います。(だから曖昧な言い方は、とてもキライ!♪)

ところで、この本を読んでいる私の視点は、著者の本も読んだことがある視点からこの本を読んでいて、そうすると私の感想というのも、また少しビミョウです。

 私は著者が株式会社というものを、「株主の資産運用をしている」と捉えていることを、知っています。そうすると今の私には、この本にはとても大切なことが書かれてあると思えるのですが、このことを知らなかった頃の私には、この本もまたやはり挫折の1冊となっていたように思うのです。

 この本では、そうした著者の独特な捉え方には、ひと言もふれていません。私はその点については、少し残念に思います。

その点を押さえておくかどうかで、会計の本のおもしろさは、大きく変わると思います。

その点を押さえておくと、会計の処理が株主、銀行、税務署などの、誰を意識しているのかがつかめるようになり、会計という世界にとてもリアリティが出てくると思います。

 ところでこの本は、とびらページの水玉もまた、ちょっとリズミカル♪で可愛いです。文字数も少なくて何度でも読めるので、私にとっては「ちょっとお気に入り♪」の1冊です。

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本 : 「エンデの島」(高任 和夫著)

 「じゃあ言おう。経済はじつは愛の領域なんだよ。(後略)」

 物語の終盤、突然この台詞が語られた瞬間に、それまで真っ青な空と海に包まれていた世界に突然、輝くようなブーゲンビリアの濃いピンク色が浮かび上がり、そのまますっと世界いっぱいに広がっていく…。

 そうした、強烈な印象を受けました。

 まるで夜が明けたような感じです。

 「この島には、何かがある。この島の奥底には、何かが眠っている」。

 そうした予感をだんだんと濃くしてゆきながら、物語の中で少しずつ夜明けの時刻が迫り、とうとうぽっかりと水平線から太陽が現れた…。

 そういう感じです。

 台詞はこの後、こう続きます。

 「人が幸せになるためのものだ。ものをつくる喜びを味わったり、人の役に立つビジネスをやったり、コミュニティを支えたりするのが経済というものなんだ」。(冒頭の台詞1行とともに、「エンデの島」高任 和夫著より引用)

 この物語に出会ったのは、1年前でした。私はこの物語の世界を知った時の感動を、いまだに言葉に表現し切れません。

 この小説は、東京都の八丈島を「奥ノ霧島」という架空の島に見立てて、その島で地域通貨システムを運営した世界を描くという、一種のシミュレーション小説です。でもその架空の世界が、ものすごいリアリティにあふれていて、本当にそういう島が存在するのではないか?と思えてしまうほど、心に焼き付いてしまうのです。

 それは著者がデザインした地域通貨システムの設計が大変徹底していて、かえって現実に運営されている地域通貨システムよりも、はるかに理論的な裏付けがあるように思われ、そうした整然とした世界が、強烈なリアリティを生みだすのだと思います。

 島の自然の色彩や、照り返す日差しのまぶしさ、山から見る風景など、自然の描写も何もかもが素晴らしく、本当に自分がその島にいるかのようです。

 そしてその島で運営されている、島民のために無利子で融資を行う島民ファンド、地熱発電所、島のバス、地域通貨運営団体である「オッキイ」、質素な役場、島で働く人たちの姿など。

本当に著者がその島で、島の人たちから取材をしてきたかのようです。

 内地(本土)からの大資本の流入を抑えるために、島内の建物の建蔽率などに制限を設けるというアイデアは、素晴らしいと思います。資本による侵略を正面から抑えることはできなくても、実体のある経済の側において制限をすることで、結果的に資本の収奪から自分たちの島を守っています。

 たくさんの素晴らしいアイデアがあり、物語の中の世界をどれほど知っても飽きません。

とりわけすばらしい施設は、島の病院です。この島の病院には、日本中から人が集まってくるのです。(詳しくはもう実際に読んで、島のことを知っていただくしかありません。)

 私はもともと南の島が好きなので、物語の中に出てくる島の組織や運営に驚嘆するのはもちろんのこと、さらには心の中で、熱帯魚が泳ぐ美しい海のシュノーケリングを堪能し、空気を味わい、すっかり心の中でこの島を楽しんでしまいました。

 「冒険」と「革命」に憧れる、この物語はもともと男性のための物語のようです。

 資本主義社会の中にありがちな、どこか灰色に疲れてしまっている男性たちが、この島では静かな野心を抱いた、大変魅力的な男性に変貌します。この島の男性は概して年齢に関わらず健康的です。

 私は若い女性ではありませんので、この島に移住しても、内地から男性を呼び込む力にはなれませんが、それでも男性たちが魅力的な、この島に移住してみたいと思ってしまいます。(笑)

 地域通貨を運営されている運営者の方には、一度は読んでいただきたい物語だと思います。

 普通、経済小説に「美しい」という言葉は似合いません。でもこの物語は反対に、「美しい」という言葉しか似合わないと、私は思います。

 経済とは本当は「殺伐とした戦い」ではなく、大変人間らしい、「愛の領域」に属する活動です。

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本 : 「スイス人銀行家の教え」(本田 健著)

 最近、突然経済に関する本や新聞の記事が、まったく読めなくなりました。読んでみても何が書いてあるのか、さっぱり意味がわからないのです。読もうとしても楽しくないし、読もうと努力をするだけ時間の無駄だと思うので、最近は読むのを止めました。

 でも、それにしても…。

 「いくら経済の本が読めなくなったからと言っても、だからと言って突然これはないでしょう?!」という気もします。(笑)

 どうして急にこの本が読みたくなったのか、それはまた自分にもよくわかりません。私は別に資産家になりたいわけではないので、この本を読んでもたいした野望もわかないし、あまり得るところはないだろうと思うのですが。

 この本は私にとって、経済の本ではありません。どちらかと言えば、心に関する本だと思います。

でも読んでみたら意外にも、経済に関して役に立つお話もかなりありました。

 普通私のような社会階層の者は、お金持ちの金銭感覚について、あまり情報がありません。でもこの本を読むとけっこう素直な気持ちで、お金持ちの感覚について知ることができると思います。この本には成金的なギラギラとしたエネルギーがあまり漂っていないので、どちらかというとお金持ち気分を楽しみながら、同時に経済のことについても考えることができそうです。

 すでに「読んでみて良かった」と思った点が、いくつかあります。

 1つはスイスのプライベート・バンクの考え方です。

 「運用」よりも「資産保全」。運用はするけれども、「インフレに負けない程度の運用」。「貸し出しは、普通しない」。

 やっぱり貸し出しはしていないのです…。

 ということは、この場所に流れ込んでいってしまったお金は、もしかしたら「塔の上のラプンツェル」状態(幽閉状態?)になってしまって、もう2度と世の中に「皆さんの交換のお手伝いをさせて下さ~い♪」などと、元気良く出てきてくれることはほとんどない?、ということでしょうか?

 それはもしかして、世の中にものすごく害があるのでは?、という気持ちもしなくはありませんが…。ただこの本全体にガツガツとした雰囲気がないので、そうした記述もまた興味深く読めてしまいます。

 また読んでみて良かったと思ったことの、別の1つには、お金持ちレベルの分類♪というものがありました。

 私は普段、お金や経済のお話をして下さる方に、「お金持ちの人たちが、お金を使わないで、自分のところに貯め込んでしまうことが、世の中に問題を引き起こしているのではないですか?」などと言ってしまうことがよくあるのですが、そうすると途端にその場にミョーな緊張感がただよってしまって、お話がぎこちなくなってしまうことがよくあります。それで正直に言うと、「ちょっと面倒だな」と思うことがよくありました。

私がそうしたことを言うと、たいがいの話相手の人は心の中が真っ青になってしまうらしく、「いや、人間は将来が心配だから、お金を持っていたいと考えるものですよ!」などと、急にお金を貯め込むことの正しさを主張し始めてしまうのです。

でも私が言っている「お金持ち」というのは、そういう普通の範囲のお金持ちのことではないのです。

 でもお金持ちのレベルを表す分類というのは聞いたことがありませんし、私自身は収入の全額、またはそれ以上を消費にまわしているような生活レベルなので、そうしたお金持ちの度合いの説明ができませんでした。

 そうしたらこの本の中に、ちゃんと整理されてありました。

 とてもわかりやすい分類です。

1)お金に余裕のある人たち。月々に数十万円を自由に使える。
2)小金持ち。月に100万円は自由に使える。
3)金持ち。月々の収入が普通の人の年収ぐらい。
4)大金持ち。資産規模が数十億円から数百億円。
5)世界的大富豪。資産規模は「小さい国」(!)ぐらいのことも。

 このお金持ちレベルの話はおもしろいので、近いうちにまた続きを書いてみたいと思います♪



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